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2012.11.13
伊豆若草石
伊豆若草石は白と緑と黒の斑模様がきれいで、水に濡れると若草色が浮き出てくる。この石の磨かれた表面は独特の肌触りで滑りにくく色鮮やかな為、温泉や一般家屋の浴室の床材として好んで用いられている。
斑模様は数mmから数cm大のパミス(軽石)やスコリヤ(玄武岩質溶岩が噴出時に発泡したもの)、火山灰、火山礫、溶岩の破片などが熱水作用(地下の温泉水)により沸石(ゼオライト)や緑泥石(クロライト)などの鉱物に変質した物で、通常、グリーンタフ(緑色凝灰岩)と呼ばれる第三紀(2000万年前)海底火山活動の産物である。ときにサメの歯の化石が入っていることがある。
以前は伊豆各地で採石され、下田市に石丁場の大きな採掘跡が残されているが、今では旧韮山町中皆沢日向の露天掘石丁場だけになってしまった。
(しずおか自然史 静岡新聞社発行 和田 秀樹静大教授執筆部より)
大変貴重な石材であり後世に残して行かなければいけないと思います。
山下